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10月26日 イタリア Napoli / Ostello Mergellina Napoli (2500リラ)

アジアの臭いがあるね
ナポリの市街を歩いてみた。なんというか、生活感漂うというか、お世辞にもきれいとは言えない。主要産業は観光業らしいが、観光地と住宅地が雑然と入り混じっていて、少し歩けばたちまちラテン的混沌の世界に引きずり込まれてしまいそうだ。
 人口密度もヨーロッパで有数だから、当然道路は慢性渋滞、ドライバーもいらいらしがちになる。クラクション使用度は中国並み、信号も守ってないドライバーの方が多く、イタリア人にとって信号は守るべきものというより一応の目安というぐらいのものだろう。他にも一方通行逆進、ウインカーも出さない急な割り込み、ノーヘル(あんまりにもノーヘルが多いから、ひょっとしたらイタリアは義務付けされてないのかもしれない)、2人乗り3人乗り、違法駐車なんでもござれだ。俺も昨日夕方市内を走って(それも荷物満載で)、ナポリがいかにむちゃくちゃな運転マナーか思い知った。俺が今まで走った中でダントツトップだな。大阪や京都もひどいと言われるが、ナポリと比べれば全く優等生だ。提案なんだが、日本の自動車教習所のシュミレータの設定をナポリにしたらけっこういいんじゃないかな。路上ではいかに予測不可能な事が起き得るかが擬似体験できること間違いなしだ。あと、限定解除の試験をナポリの路上でするとかね。






10月27日 イタリア Napoli / Ostello Mergellina Napoli  (2500リラ)

ポンペイ-こんな路地が碁盤状に走っている。
ポンペイ遺跡とベスビオス山へ行く。
ポンペイ遺跡はナポリから30キロほど東にある。ナポリでは出来るだけバイクに乗りたくなかったのだが、ポンペイ周辺はその他の遺跡やベスビオス火山、アマルフィ海岸など見所も多いので、何かとバイクの方が便利だろうと思ったのだ。
 朝9時、恐る恐る市街に乗り出す。時間が時間だけにいっそうひどい渋滞でたいへんだ。排気ガスと工場のばい煙で空気も相当悪く、朝から不快指数が上がる。
 歩くようなスピードで車の後ろについてた時、横の歩道をスクーターが何の躊躇もなく高速で走っていくのを見た。おいおい歩行者も歩いているのにもう少し遠慮がちに走れよ、と思う間もなくさらに一台、また一台、そして後から後からバイクが列をなして歩道をがんがん走っていく。スクーターだけではない、ニンジャとかドミネータとかの大型バイクまでどんどん走っているのだな。さながらバイク用の走行車線のようだ。見てたらだんだん笑けてきて、俺も一緒になって走ってみた。郷には郷に従うの精神だな。

つらかったんだろうなあ
それだけじゃなくって、ここでは日本と同じ感覚でおとなしく走っていたらかえって危ないような状況を生み出す。一番怖いのが急な割り込みや飛び出しで、少しでも隙間が開いてれば入らなきゃ損、てな感じでどんどん来る。これに対抗するには割り込ませないように車間距離を詰めて走るしかない。
 信号無視も怖い。バイクはほとんど、車も多くが、信号が赤でも走れるようなら無視して走る。だからこっちは青でも安心して交差点に進入できないぞ。
 

肝心のポンペイ遺跡はというと、これが想像してたよりずっと巨大でびっくりした。ポンペイはナポリより東に20キロほどのところ、ベスビオス山麓にある町で、この町のど真ん中に巨大な古代ローマ時代の都市遺跡がある。俺は奈良郊外の平城宮跡みたいなのを想像してたのだが、まったくけた違いにすごい。全部見て回ろうと思ったら一日では足りないだろう。さらに驚くことは、この遺跡はまだ80%ほどしか発掘されていないらしい。
この古代ローマ人のリゾート地は紀元79年のベスビオス大噴火により一瞬にして埋没、この時の火山灰が遺跡をほどよい状態で保存させたというわけだ。立ち並ぶ建造物とともに、逃げおくれて死んだ人間が火山灰で固められ、死んだ時の姿で発掘されたのが何体か見られる。
 しかしいくら火山灰で埋もれてたとはいえ、2000年前の都市まるごと残ってるというのもすごいもんだ。木造建築の日本や東アジアでは考えられないし、うらやましい気もするね。




10月28日 イタリア Roma / Ostello Foro Italico (25000リラ)

ユース前にて同室の仲間と
ローマへ。
海岸沿いの道を走るが、美しいというよりは、レストランや売店が多くてあんまりよくなかった。
途中からSS7という国道に入る。この道は何十キロもずっと直線的にローマに向かっており、「すべての道はローマに通じる」という有名な言葉が思い出される。

午後3時頃、ローマの市街地へ入る。
当然ながらすごい交通量、一方通行も多く、なかなか行きたい場所へ進めない。
バイクを止めて地図を見たり一方通行の道をバイクを押して歩いたりしながら市内をさまよっているうちに、急に足元が滑った。瞬間何が起こったのかわかったね。フランス以来、久しぶりに犬糞を踏んづけてしまったのだ、それもかなり特大、かつ新鮮なやつを!
路上の糞はラテン諸国の共通因子だな。なんとかならんもんかね。

靴底に糞をつけたまま最悪の気分でさらに市内をさまよい、やっとのことで少し郊外にあるユースを探し当てた。このユースはオリンピックスタジアムのすぐそばにあり、中心部からは結構離れているが、あの喧騒のどまんなかに宿をとるよりはましというもんだ。
チェックイン後、靴に付いた糞除り作業にとりかかる。他に適当な作業場が見つからなかったので、他の宿泊客には申し訳ないとは思ったのだが仕方なく洗面所で実行。靴底に熱湯を流しながら、クリップの先を使って丹念に付着物を落としてゆく。作業後は洗面台もちゃんと洗っといたから問題なしだ。
 そして夕食。バスと地下鉄を乗り継いで中心部まで食いに出る気分にはならず、ユースの食堂で済ませた。ローマまできてユースで飯というのも味気ないもんだが、宿探しと糞とりに披露困憊した後だけに、生ビールだけは五臓六腑に沁みわたるようにうまかったな。





10月29日 イタリア Roma / Ostello Foro Italico (25000リラ)

コロッセオ→内部
 小雨降る中、市内を見学。
コロッセオ、パンテオン、トレビの泉、カラカラ浴場、サンピエトロ大寺院(バチカン市国)等有名どころと見て回る。市内のど真ん中に遠いローマ時代の遺跡がごろごろしていて、さらにまだ発掘中の遺跡とかもあって、まさにここがあのローマ帝国の心臓だったのだと感心せずにはいられない。
 ただ見るところがあまりにも多すぎてとても一日では回りきれないし、これまで半年以上も名所旧跡を見て歩いて、ほとんど腹いっぱいになったところにさらに子豚の丸焼きが出てきたような気分でもあり、力を入れて見学する気にはならなかった。博物館、美術館もぜんぜん見てないしね。せっかくここまできてえらくもったいない気もするが、ここはまた別の機会にゆっくり歩きたいものだ。

イタリアに来てから、少なくとも一日2回はスパゲッティを食べている。俺は無類の麺好きだから、やはりピザよりはスパゲッティなのだ。ペンネもいいが、やはりツルッと食べ応えのあるのはスパゲッティだな。
値段は具によって6000リラから15000リラぐらい。強烈に山盛で出てくるのかというイメージを持っていたが、量は日本で食べるのと同じぐらいだ。メニューを見ると、パスタ類はメインの前の所に書いてある事が多いから、パスタであんまり満腹になっては困るという事かもしれない。
 もう一つスパゲティで発見したのは、こっちのレストランは、スパゲッティを食べる時スプーンを出さない。俺はあのスプーンと一緒にくるくる回して食べるのが苦手だからこれは歓迎だな。としても、スパゲッティの本場イタリアでやらないのに、誰がそんな事を始めたのか?
 もう一つ、イタリア料理にはスープがない。俺は無類の汁好きでもあるから、前菜にはたいていスープを注文するのだが、これが全くない。席にももともとスプーンはセットされていない。一度なんか、メニューを見ずに「スープをくれ」と頼んだら、「スープだ」と言って豆とジャガイモの煮込みみたいなのが出てきたよ。

今までイタリアで見たへんなもの

・レストランのおばちゃんが走っている車を無理やり止めて、強引に自店に引きずりこむのを見た
・普通の路上で意味もなくウイリーしながら走っているスクーター多数
・進入禁止の標識がでかでかと掲げられてるのに、何事もないように猛スピードで逆進する車の列
 (近くでよく見て確認したが、けっして時間帯制限などついてなかった)
・レストランは昼1時過ぎに開く(客より先に飯食うなっちゅうに)
・信号は青と黄色が同時に出ている
・ガソリンスタンドは道路脇に直接計量機が置いてあり(特に市内)、その間近で、というか計量機にもたれながらがんがんタバコを吸っている
・こんなにいい加減なのに、なぜかユースのチェックアウトだけは9時とやたら早い
・ピッツェリアとでかでかと書いてある店にピザがなかった。
・観音開きのドアを全開にしながら走っている軽自動車
・土曜日の午後から締めているガソリンスタンドが多いこと
・郊外の街道脇でノーパンでケツをぶりぶりさせている女

イタリアて変な国だと思う。




10月30日 イタリア Roma / Ostello Foro Italico (25000リラ)

こっちはくたくたになって走り回っているっちゅうのに
 スロベニアで置き忘れて盗まれたバイクジャケットの代わりを買うべく朝から市内を走り回る。
最初、ユースの受付のおっちゃんに教えてもらったバイク屋へ行くが、そこはサービス中心でジャケットは置いてなかった。まあ最初の店で見つかるとは思ってなかったので、そこで系列の店を教えてもらい、再び3kmほど走る。
 二番目の店は、ジャケットこそ置いてあったが、スクーター用のちゃっちい奴しかなく、そこでもまた同じ系列のもっと大きい店を紹介してもらってさらに走った。
 その店に至る途中に三軒バイクショップを見つけたが、一軒はジャケットを置いておらず、一軒はいいのがなく、もう一軒は閉まっていた。
 ここで昼時になったので、道沿いに発見した中華料理屋で昼飯。イタリアでは中華を初めて食ったがやはりうまくて安かった(鱶鰭スープ4000リラ、焼きそば6000リラ、アヒルと竹の子のあんかけ6000リラ)。この店は床が総ガラス張りになっていて、その下が池になってて鯉が泳いでいるという具合の結構高級っぽい構えの店なんだが価格はこのとおりで、いつもながら中華料理の偉大さに感心、そして謝謝!

少し話が横道に逸れたが、飯を食った後、2時頃に目的のバイク屋へ。これで都合6軒目だが、なぜか店は閉まっている。「ハテ?」 午前中の店で俺が行くと電話を入れてもらっているはずなのになんで休み?
 一瞬の?のあとすぐ納得。そうそう、ここはラテンの国だ、シエスタだ。しかし何時まで休むんだ?隣の靴屋のオヤジに聞いてみると、午後は4時半からだそうで、せっかく飯を食って入れなおした気合がまたすぐしぼんでしまったな。
 仕方が無いので、開くまでの二時間半、何とか時間をつぶして待つ事に。まず裏手の原っぱで立小便をして対面のビデオ屋にはいってぶらぶらしてみたが15分しか経ってない。隣のレストランでもう一度昼飯を食ったろうかとも思ったがさすがにまだ胃に空スペースがない。仕方なくもう少しぶらぶら歩くと偶然YAMAHAバイクのオフィシャルサービス工場を発見した。

ちょうどヒマだから、そろそろやっときたいと思っていたピストンリングとホイールのベアリングの交換を頼もうと「たのもう!」と入っていくと、受付嬢は、今はメカニックが他のバイクにかかってるから4時にバイクをもってもう一度来てくれという。せっかくいい時間つぶしが見つかったと思ったが残念、ただこれは確かにいい機会なのでジャケットを買ってからも一度来ようと思い、予約だけして店を出た。
 さらに数十分付近をふらつき、4時頃にバイク屋に戻ったら今度は開いていた。ここではいくつか良さそうなのがあったが、一番いいやつは80万リラと強烈に高いし、かつ完全装備すぎて重い。これから行くアジア地域のことを考えればもう少し薄手の方がいいと思ったので、もう1ランク下げると今度はチャチ過ぎる(30万リラ)。うーん、ジャケット選びもなかなか難しいもんだな。
 すぐには決めかねたので、ひとまず保留して、先にYAMAHAサービス工場にバイクを出しにいく事にした。
 そしてYAMAHAに行って必要事項を依頼したのだが、すぐにはできないと言われてしまう。俺のTT250Rレイドはヨーロッパでは売ってなく(600ccのんはある)、日本にいろいろ問い合わせたり部品を取り寄せたりしないといけないので二週間は見てくれということだった。
 そんなに待てる訳はないので部品交換は諦める事にしたが、ついでにと思い「いいバイクのジャケットを置いてる店を知らん?」と聞いたら、店員は「3km先にうちのショップがあるよ」といい自らバイクで一緒に連れて行ってくれた。
 
結果的にはここで満足のいく買い物ができたのだが、それにしても疲れ果てた一日だったな。簡単にあっちいってこっちいってって書いてるけど、ローマの迷路のような道を、それも慢性渋滞と汚れた空気の中を迷いながら一日中走り回るってのはかなりきつい仕事やったよ。
 そして新しいジャケットを着込んでユースに戻ろうとした直後に、運がいいのか悪いのか強い雨が降ってきた。55万リラのスピーディ製新素材防水ジャケットの性能が早くも試されるってとこだな。




10月31日 イタリア Potenza / Tourist Hotel (85000リラ)

昨日の夜から降りだした雨は今日の昼過ぎまで断続的に降り続いた。
けっこういやらしい雨で、ちょっと小雨になったので出発しようと思ったらまた強くなり、いっそのこともう一泊しよかとユースの受付に申し込もうと思ったら突然やんだり・・・俺と同じく、フランス人のチャリダーも荷物を積んだり降ろしたり、雨におちょくられてたな。

結局、昼前に一瞬止んだ隙を突き、果敢に出発したのだが、高速道路に入ったらまた降ってきた。高速道路で降られたらたまらんのだよ、止まるとこがないからねえ。我慢して次のサービスエリアまで走ってそこで雨宿り。小降りになったのを見て再出発、そしてまた雨、また我慢、で雨宿り・・・
 こういうのを何回か繰り返しているうち、バイクはどんどん南へ。ナポリを過ぎ、今日中に目的のBrindisi(次の目的地、ギリシャ行きのフェリーが出てる)に着けるかとも思ったんだが、意外に早く暗くなりはじめた。
「ハテ?」雨雲でお日様は隠れてるにしてもまだ4時過ぎ、なぜ?
一瞬考えて気がついた。そうそう、夏時間が終わり、昨日から時計が一時間遅くなってたのだな。GPSで今日の日没時刻を確認すると4時50分になっている。緯度が高いヨーロッパでは、タダでさえ夏冬で日の長さが大きく違うのに、この上時間調整までやられたら、一気に季節が変わったんだと感じさせらる。まあ、気温自体はまだまだあったかいんだけどね。

 そうしてるとまた雨が降りだした。このむちゃくちゃな運転のイタリアで、雨の夜間走行などしたら命がいくらあっても足りないので、最寄の町、ポテンツァに緊急避難。ここもナポリやローマと同じく大渋滞、かつかなりの急坂の町なので(標高700mほど)、また神経をすり減らす宿さがしになってしまった。そんでまたくたくた。。。イタリアはバイクで旅行するもんじゃないな、ちょいと辛いぜ。





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