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8月21日 スウェーデン  Morsil / Bixogardens Viltfarm B&B  (200SEK)

ハンティング犬、アシタ
 それにしても最近太陽を見ない。今日も曇りと雨だ。こんな日はうちでごろごろするに限る!

 この農家は動物をいっぱい飼っていて楽しい。
犬が二匹、牛数匹、羊数匹、馬二匹、猪十数匹、鹿40数匹、鶏は数知れず。干支の半分を飼ってることになるな。
 猪は身が締まっていて実に旨そうだ。味噌があったらぼたん鍋をやろうと持ち掛けたいところだな。
鹿は何十ヘクタールという広い敷地内の森で、半野生的に飼育されている。この肉もかなり美味らしい。
 また飼い犬の一匹はアシタと言う名前で覚えやすい。この犬はまだ子供だが、小屋から外に逃げ出す鶏を追い立ててまた小屋に戻したり、なかなか利口だぞ。日本の柴犬に似ているが、狩猟犬らしい。
 あとこの周りにはムースや山猫、クマも生息してるという。山猫なんか日本本土にはいないからぜひ見てみたいもんだ(壁に毛皮がかかっている。犬ぐらいの大きさかな)。



うーん、もうちょっと近くで拝みたいぜ
して今日夕暮れ時、宿の夫婦がムースを見に連れて行ってくれた。車で約20キロ程ダートを走り、Hackren湖という森のどまんなかにあるひっそりとした湖の周辺を探索した。
 ちなみにムースはエルクとも呼ばれ、日本語ではヘラジカ。北ヨーロッパやシベリア、アラスカに生息する鹿では一番大きい種類である。でかいやつ体重800キロ、肩の高さ2m以上にもなるらしい。異常にでかい角が特徴だ。
 今年はけっこう良く見かけると聞いていたので期待していたんだが、小一時間走り回ってもなかなか姿を見せてくれない。「今日はBad luckだわ」とおかみさんが諦めた直後、だんなさんの方が鋭く「ストップ!」と言った。
彼の指差すその先には、大きな体の哺乳類がこっちを向いていて、それがムースだった。
距離も遠く、雨で、そして夕暮れでかなり暗いためはっきりとは見えないが、猟師でもあるだんなさんが言うんだから間違いないだろう。ついに生ムースを肉眼で捕らえた決定的瞬間だ!
(地元の人は珍しくもなんともないんだろうけどね)

:余談:
ドイツ人はなぜかムースが大好きで、これを見るためだけに北欧に乗り込んでくるらしい。そしてお土産にムースの糞を買って帰ったり(なんかの薬にでもなるんだろうか?)、「ムース飛び出す注意!」の交通標識(ムースの絵が書いてある)を盗んで行ったりするので、スウェーデン人は完全にバカにしている。この事は複数のスウェーデン人から聞いたから、ドイツ人のムース好きという評価は北欧では定着してるのだろう。でも、なんでだ?




8月22日 スウェーデン  Morsil / Bixogardens Viltfarm B&B  (200SEK)

宿のオヤジさんは、パイプをくわえて農作業。
シブイぜ (後ろはシカ軍団)
今日もくもり、そしてぽつぽつと雨。そして今一泊。
3連泊もするには訳がある。二週間前LingongardenのB&Bで置き忘れたワイヤーロックとU字ロックをここに送ってもらうことになっていて、それがまだ届いてないのだ。16日に送ったという事なので、もう着いてないといけないのだがねえ。小包の郵便コードを調べて行方を追ってもらおうと、送り主のLingongardenに電話するのだが不在でどうしようもない。この国の郵便システムはどないなってまんねんと嘆く前になんでそんなもん置き忘れるんやと言われそうだな。

で、時間がたっぷりあるので、ちょっと雲が途切れかけてきた2時ごろ、林道遊びに出かけた。コースは昨日の夕暮れホストの夫婦が車で連れて行ってくれた湖周辺のダート。ムースウォッチングも兼ねてのお出かけなのだ。
 宿から2キロも走れば道はダートにかわる。しかしまだここは公道で、速度標識や離合スペースなども設けられている。ダートと言っても十分締まっているのでほぼ舗装路と同じ感覚で走れる。
 この公道ダートを5キロぐらい走ると、右手にもう少しラフな林道がでてくる。これを右折して後はひたすら湖までぶっ飛ばす。ここは私道なんだけど、別に走っても問題ないらしい。もし誰かに何か言われても、「Bixogardenに泊まってる者だ、と言いなさい」と宿のオヤジさんからお墨付きを貰ったので心配ない。

車は皆無、土も締まっており、カーブも緩やか。時々小さな穴ぼこやコルゲーションがある程度なので、ここも80キロぐらいで走れる。日本の林道みたいに急カーブだらけで、一歩間違えば谷底転落、のような恐怖心を抱く必要もなく、鼻歌を歌いながらずんずん進む。
そして20キロぐらい走ったら、例のHackren湖が現れた。

その周辺でとろとろ走ってムースを捜したり、セルフタイマーでポーズをキメて写真を撮ったりして遊んでいるうちにまた雲が厚くなり雨が降ってきて、同時にえらく冷え込んできた。
まあでもせっかく出かけたんだし、もうちょっと遊ぼうと、今度は林道のさらに枝線に入り込んで走り回った。枝道はかなりたくさんあり標識などないので、GPSがなかったら到底入り込む勇気は出ないだろう。ブレアウィッチプロジェクトの魔女探しみたく、迷って出られなくなってしまうかもしれない。
 その後一時間ぐらい森の中を走り回り、時々止まってムースの気配をうかがったが、今日は空振りだった。まあ時間も早すぎるのであんまり期待はしてなかったんだけどね。


8月23日 スウェーデン  Morsil / Bixogardens Viltfarm B&B  (200SEK)

ホックレン湖でキメる!
さて、俺の荷物は全部で40キロほどある。入れ物は振分けバッグと、二つのバックパックを重ね積みにしてストレッチコードで後に括り付けている。背中にはザック等、何も背負っていない(というか二つのバックパックが肩甲骨の辺までくるので背負おうにも背負えない)。
 かなり荷重が後にかかり、後輪の磨耗を早めているが、一方でこれが背もたれの代わりにもなってなかなかいい按配になる。
 また腰にはウエストバッグを付けてカメラなどを入れている。こうしているといざと言う時すぐに写真が取れるから。もう一つ、ウエストバッグの利点は、正面から来る風をさえぎってくれ、腹が冷えるのを防止してくれる点だ。胃腸に若干の弱点を持つ俺としては、この副次効果はありがたい。

同じように、旅行を続けていると、本来の使用目的とは別の使い方を発見して、旅行をいくらか快適にしてくれる事がある。思いつくままに挙げてみると。。。

 ・服を詰めたコンプレッションバッグを枕に
 ・シャワージェルを洗濯洗剤や食器洗いに
 ・キャンプ用のマットを走行中のパソコンの振動緩衝材に
 ・汚れた下着をタオル代わりに(体洗いと洗濯を同時に行う)
 ・水筒を熱が出た際の氷枕に
 
取るに足らない事ばっかりなんだが、旅の生活ってのは、こういう小さい事の連続だからねえ。




 8月24日 スウェーデン  Morsil / Bixogardens Viltfarm B&B  (ただ)

数々の荷物の中でも、これは持ってきて良かった、期待以上の働きをしてくれてると言う小物は何か? 一番は、何と言ってもGPS(Global Positioning System)端末だ。このレポートでも何度か触れているが、GPSのおかげで不必要に道に迷うことも少なく、旅程をスムーズに消化させるのに大変役立つ。Garmin3+と言う、アメリカ製のモノをネット通販で買ったのだが(たしか5万円弱だったと思う)、これはペイして余りある。

主な機能としては、  
 1 経緯度や高度などで、現在地と進んでいる方向がわかる。
 2 それに付随する、現在地の情報が取れる(現在時間、日没時刻等)
 3 セットされた目的地への方角や距離、到達時間等を示してくれる
 4 地図(これが上の機能と組み合わさる事で、カーナビと似た使い方ができる) 
 5 平均速度や時間などの走行データや、走った軌跡を残してくれる(走行後PCにデータ保存)

もう一つ、これによって、知らない道を走る際によく起こる「果たして俺は正しい道を走ってるのか?」という、不安感が軽減される。この心理的なメリットが大きいね。

他にも持ってきて良かったと思う小物はたくさんある。
一つは布テープ。旅行中は壊れ物や破れたものを本格的に修理できない。そういう時布テープはユーティリティープレーヤーとして活躍してくれるのだ。これまでの補修実績は、ゴアテックスパンツ、チェーンカバー、地図ケース、振分けバッグ、テントの底、他人のヒールなどなど。コンパクトな割に長持ちし、手で引きちぎれるのも便利な点だ

 ゴムバンドで頭に装着する携帯ライトも便利。これが威力を発揮するのは、ユースなどの大部屋宿泊の時である。俺は夜遅く談話室や食堂でPC作業をするので、部屋に帰ってくる時は同室の人間は寝静まって真っ暗。部屋の電気を再びつけるのは気がはばかられるし、そういう時にライトが役に立つ。さらに両手が空くので、枕もとの作業とかにも適している。
 
 モンベルのポーチは非常に機能的で便利だ。チャックを開けると3段階に開き、いろんな場所にいろんな形態の収納スペースやポケットがある。おまけに開いた状態でフックに吊るしたりできるようにも工夫されていたりする。これを作った人は、たぶん経験豊富なバックパッカーではないだろうか。モンベルロゴの下に"Function is beauty"と書かれているが、まさにその通りの一品だと思う。

 Northfaceの速乾性のパンツも、履き心地もよく軽くてかなり気に入ってたんだが、二枚ともどこかに置き去りにしてしまった。
 あとパッキングに使っているストレッチコードも、簡単に荷物を括り付けられて且つ荷崩れを起こさない。アウトドア用品店に売っていて、自転車の荷台に使うコードを太くしたような形状のコードだが、これは大荷物でツーリングする人には絶対お勧めだ。

 他にもいくつか便利グッズはあるし、逆に持ってこなければ良かったと思っているもの、また既に送り返してしまったものも紹介したいが、腹も減ってきたので、それはまたいつか書きます。
 



8月25日 スウェーデン  Umea / Umea YHA  (130SEK)

Bixogardenの貸切一軒家!
結局、MorsilのB&Bに5泊もしてしまった。LingongardenのB&Bに置き忘れたバイクロック類を送ってもらうため待ってたんだが、今朝まで待ってもとうとう届かなかった。Lingongardenの宿主は、メールでなんだかんだ言い分けをしてたけど、要するに送るのが邪魔くさかったんだろう。なんせ最初に電話で依頼してからもう二週間近く経ってんだから。最初から見切りをつけとけば金のロスだけで済んだものが、ずるずる待ってたため時間もロスする事になってしまった。

とは言え、仮にそんな事がなかったにしても先に進みたくないぐらい、ずっと天気が悪かった。ここ一週間ほどほとんど太陽を見てないし、日中でも冬のように寒い。家の中は暖房ギンギンである。
だからここへ来てからの5日間は、最初の二日ほどは山へ走りにも行ったが、その後は家にこもって本を読んだり、犬と遊んだりして静かに生活してた。
 客は結局最後まで俺一人。5日間一軒貸切状態だった。一家の母屋とは別棟だから、まあ気楽な事。自宅のように散らかしまくって、気の向いた部屋で昼寝し、好きな時間にメシを作って酒を飲んで・・・
 おかげで今日引き払う時の掃除が大変だったよ。
 昨日から宿の夫婦が週末の狩猟バカンスに出かけたので、昨夜の宿代はなし。「忘れ物を待つんだったら、あと3日はただで泊まっていってもいいわよ」とは言ってくれたんだが、それはさすがに時間が許さない。

と言う事で、今日は主に東へ走り、ボスニア湾岸のUmeaという町まで歩を進めた。
久しぶりに荷物を積んで走る。すぐ気づいたのだが、家にこもってた数日間の間に、季節はすっかり秋になっていた。木々は色づきはじめ、雲は積乱雲が姿を消し、もっと高いところに薄いすじ雲ができている。そして空気はひんやり。午前中はやめたくなるくらい寒くて陰気な天気だったが、ボスニア湾に近づくにつれ雲が切れてきて気温もだいぶ上がってきた。


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