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8月6日 デンマーク  Copenhagen / Ingar Pokel (225クローネ)

Nytorvの美しい景観
ハウステンボスも真っ青だ
 コペンハーゲンの一日観光。
まず市内の主な見所を一時間半で回るHop-on, Hop-off方式の二階建てツアーバスに乗り込む(100kr)。
世界初の証券取引所、人魚姫(リトル・マーメイド)像、Nytorvの運河、Rosenborg城などなど。この格安ツアーバスは、ダブリンでも使ったが、まず町の概要を掴むのに大変便利だ。ここのバスは特に、各席にヘッドホンがついていて、テープによるガイドが聞ける。素晴らしいのはチャンネルが7つほどあり、自分の言語を選べること。まことに合理的だ。日本語もあった。ダブリンでは運転手が自らガイドを務め、冗談連発でそれもよかったが(いかにもアイルランドっぽくて楽しめた)、やっぱり母国語で解説を聞けるのは楽でいい。

バスで一周した後、今度は自分の足でゆっくり歩く。
コペンハーゲンもこれまた美しい町だ。17世紀、18世紀の昔に建てられた建物が多く(それも普通の家々)、新しく作られた建物もそれを見習うように高さやデザインが施されている。高さが平均しているのもコペンハーゲンの美しさの一要素のような気がする。そして家々の色調は明るく色とりどり。ダブリンやその他の町もそうだったが、港町というのはなぜか建物が明るい色とりどりになっている。なぜだろう?航海や漁で疲れきった男達を明るく暖かく迎えるためなのだろうか・・・
その他いかにもデンマークらしいエロティカ博物館というのにも入った(68kr)。南紀白浜の秘宝館とは違い、本格的(?)でかなり面白かった。白浜のは入ったあと後悔するがこっちのはしない。

あと町にはクリスチャン4世が造ったという建物が非常に多い。ツアーバスのテープガイドでも何度もこの名前が出てきた。宿に帰って今エンカルタ百科事典で調べてみると、16世紀から17世紀にかけての国王で、都市建設や商工業の育成など内政に関して精力的に力を尽くした人らしい。ただし外交(ほぼ同義で戦争)においては負けっぱなしだった。彼の頃から、もともと今の二倍ほどあったデンマークの領土は近隣諸国どんどん奪われて小さくなっていった。この王様が負けグセをつけてしかもしれない。

ティボリで見た軍隊行進のアトラクション
町を一回りした後は、いそがしく国立競技場へ向かいサッカー観戦(100kr)。デンマークのプロリーグの試合で、地元コペンハーゲン対Lyngbyというチームだ。スタジアムは4万人ほども入りそうな大きさ。特に高さがすごい。席までかなり階段を上らないといけない。客の入りは五分というところか。
 当然コペンハーゲンの応援団が圧倒的に多かったが、勝ったのはLyngby。前半に1点取ったあと退場者を出したのだが、ワントップにして守りを固め、後半早々に相手の隙をついて2点目、試合終了間際にコペンハーゲンが猛攻撃の末1点取り返したがあとの祭りだった。
デンマークのサッカー、あんまりレベル高くなさそう。日本でも勝てるんじゃないか?

その後休む間もなくティボリ公園の遊園地へ(45kr)。宝塚にもチボリ遊園地というのがあるが、これの二番煎じなのか?俺は宝塚のチボリへは遠い昔に行ったきりだからどんなのか忘れてしまったが、こっちのティボリは遊園地の元祖ともいうべき典型的な遊園地(へんな言い方?)。大きさはそんなに大きくない。二子玉川の遊園地をちょっと大きくした程度。中国の楼閣のような建物もあって笑ってしまった。乗り物には乗らなかったが、歩くだけでもけっこう楽しかった。

やろうと思えば一日でいろいろできるもんだ!



8月7日 スウェーデン  Lingongarden /  Ostantorp B&B (225 SEK)

スウェーデン南部、国道23号。空が広い
デンマークからスウェーデンのMalmoに架かっている、できたばかりの橋を渡った(バイク125kr、車330kr)。全長20キロほどもあろうか。最初の5キロほどは地下にもぐり、その後はエーレ海峡の上をひたすら東進。橋でも靴でもグローブでも、まっさらを使うのは独特の快感がある。
 橋を降りたらそこはもうスカンジナビア半島。ついに来てしまった。Malmoを越えて、おそるおそる北へ上がってみる。今日は天気はいいんだが、風邪がかなり強くて走っていて寒い。もっとまいるのは、横風がバイクをふらつかせることだ。オフロードはタダでさえ表面積がでかい上に、荷物をしこたま積んでるので、強風を横から受けるとけっこう怖い。足払いをかけられるようにタイヤがスライドする感じだ。今日は左からの風なので、バイクをやや右に傾けて、その分左に体重を寄せてバランスを取りながら走る。

スウェーデンに入って道が広い。幹線道路は普通の道の二車線分ほどもある。そして支線はダートが多い。日本は林道は多いが、あくまでも林道であって生活道路でのダートはもうあまり残ってないだろう。このスェーデンの場合は、小さな支線はだいたいダートと言ってもよい(まだ入国して初日なので、他の地域は違うかもしれないが)。なかなか楽しそうな、走り応えのありそうな国だ。でも寄り道ばっかりしてるうちにどんどん寒くなって、冬になって出られなくならないように気をつけねば。

 国境近くの観光案内所で地図やキャンプ場、ホテルなどのリストを入手したとき、スウェーデンにもB&Bがあることを知った。B&Bはイギリスとアイルランドの専売特許ではなかった事を知ってうれしい。さっそくリストと地図を見て、Vaxjoという町から10キロほど離れたVederslovという農村の一軒家を訪ねた。
宿は初老の夫婦がやってるんだが、家族自体は子供の夫婦とかも一緒に住んでてけっこう大家族のようだ。この宿はイギリスやアイルランドのB&Bよりもさらに「普通の家」で、ほとんど泊り客を意識した飾り気がない。まあかえってこういう所の方が、地元の暮らしがわかるってもんだ。今は家族もそれぞれの部屋に帰ったあと、大きなキッチンのテーブルに座ってこれを書いている・・・




8月8日 スウェーデン  Lingongarden /  Ostantorp B&B (225 SEK)

泊り客の少女と宿のオヤジさん。
後ろの建物がB&B
今日は一日南部スウェーデンの森とダートを堪能した。
オフロードバイクなので、やっぱり道は土なのが嬉しい。昨日も書いたが、ここのダートは生活道路でもあるので、まるで東南アジアの田舎を走っているような錯覚を覚えてなお嬉しい。
森もいっぱい、というか森だらけなので、ちょっと寄り道しただけで素晴らしい森林浴が楽しめる。そして道から外れて森に踏み込むと、これまで経験した事のないふわふわのコケで、走り高跳びの時の着地のウレタンマットのように足をとられる。きのこ類も豊富で、道の真ん中にまで生えてたりする。これで野生のムースとかに出会ったらどうしよう。でもこの自然だと十分ありえそうだ。
ここは他の西欧諸国とは全く違う国土だ。とほうもなく感動する。ここには絶対いるね、森の妖精が。

さんざん走り回って、帰りもGPSだけを頼りに、ダートを走り継いで宿まで戻った。道はあっちへ曲がったりこっちへ曲がったり、かと思えば何キロも直進してたり。ダートの道は、当然俺の持ってるいいかげんな地図には載ってないし、いいかげんなGPSの地図にもでてこない。なんか、天然の迷路で遊んでいるように楽しいぞ!



8月9日 スウェーデン Katrineholm / キャンプ場 (60SEK)

今日はとりあえず走る日。GPSに通過予定ポイントをセットしてルートを組む。すると今日の宿泊地のKatrineholmという町まで330キロ、半ば自動的に誘導してくれるのだ。ダートを走ると時間を食うので、今日はとりあえず幹線だけを走った。それでも道の左右にしょっちゅう湖と木々の美しい風景がでてきて、ついつい休憩してしまう。止まって観賞しないと損したような気になるんだな。あとロードサイドの小さいハンバーガ屋で食ったハンバーガーとチップスがやけにうまかったことかな、今日は。

そうそう、それから今日農家B&Bをチェックアウトする時、宿のおばさんが、「リトアニアに行ったら私の知り合いがいるので其処に泊まるといいわ。ちょっと前に私にメールを頂戴。その知り合いに電話しといてあげるから」とその人の住所と電話番号を書いた紙をくれた。電話はいくらでも使わせてくれるし、とことんいい人だ。
 このおばさんは(というかおばあさんに近い歳だと思うが)、控えめそうな風貌に似合わず、実は昔アパレル会社を二つ持っていて、ヨーロッパ各国を駆け回ってたらしい。日本の顧客とも取引があったそうだ。おばさんの書斎にはコンピュータがいつもつきっぱなしになっている。一昔前は女実業家だったわけだ。おばさんが話し掛けてくる内容も、日本の文化とかビジネスの習慣とかなかなか手ごわい中身で、こっちも難しいことを言ってやろうと意気込むんだが口がついてゆかずしどろもどろ。
 これに対してダンナさんの方は、農業一筋のようで、英語も話さない。でも上の写真のように、いつも笑顔のとてもやさしいおじさんである。この家は、妻が外で稼ぎ、夫が家を守る、というパターンだったようだ。今は夫婦そろって悠悠自適であった。


8月10日 スウェーデン ストックホルム / Backpackers inn (100SEK)

150キロほど走って首都ストックホルムへ。久々にドミトリーへ泊まろうと思ったんだが、最初の2軒は満員。3軒目でやっと空きがあった。このホステルはもともと学校で、夏期休暇の期間だけバックパッカーの宿に変身する。俺の部屋は普段は社会の教室のようだ。正面には大きな巻き取り式の世界地図、ヨーロッパ地図、スウェーデン地図が天井から吊るされている。世界を旅するバックパッカーにはちょうど良いではないか。そしてシャワーは体育館付属のものを使う。7人ほどが一度に浴びられるが仕切りも何もない。

チェックインを済ませ、さっそく町に出た。まずインターネットカフェに行かなければ。行かねばならぬ理由は二つ。一つは二日後に会う予定になっているダニエル&アンナの住所と電話番号がメールされてるはずだから。もう一つは、昨日農家B&Bの納屋にバイクのロックを二つとも置き忘れて(U字ロックとワイヤーロック)、それを宿のおばさんにダニエル宅まで送ってもらおうとしているからだ。そう、またやってしまったのだよ。

ストックホルムの夕暮れ
町の中心と思われるあたりにバイクを停め、適当に歩いて探すことにした。観光案内所に行って場所を確認してから行こうとも思ったんだけど、インターネットカフェなんて大都市ならどこでも見つかるだろうとタカをくくって横着したのが間違いだった。全く見つからん。人に聞いても知らない。メインの通りからちょっと路地に入った、いかにもありそうな場所を歩いているんだがない。ただのカフェなら死ぬほどあるんだけどね。こっちもだんだん意地になってきて、3時間ほど歩きまわって結局見つからず、疲れ果ててイタリアンレストランでペンネ大盛りとビール二杯飲んで、また執拗に探しに出たんだがやっぱり見つからなかった。

探し方がまずかったのはもちろんだが、インターネットカフェが少ないというのはバックパッカーを当てにした商売にあんまり力が入ってないということも言える。今日宿が二軒連続で満杯だったのも(それも昼間だ)、訪れるバックパッカーに対してベッド供給量が少ないからだろう。
世界で有数の物価高の国には貧乏旅行者は来ないと思っているのかな?



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